転生したのに0レベル
〜チートがもらえなかったので、のんびり暮らします〜


229 できたフロートボードの魔石と、僕の固い決意



 魔法文字記号が揃ったから、さっそく放出系の魔法陣の見本を取り出して羊皮紙にフロートボードの魔法陣を描いて行く。

 そしてそれが出来上がると、今度は魔石に刻む作業に移るんだけど……。

「どれくらいの大きさの魔石に刻めばいいのかなぁ?」

 ピュリファイの時は朝と夜の二回、数秒だけぺかーって光ればよかったからそんなに大きな魔石を使わなかったんだけど、フロートボードは馬車が走ってる間、出しっぱなしだもんね。

「ちょっと大きめの魔石を使わないといけないのかも?」 

 でも、効果が出てる時間は長いけど、フロートボードを呼び出すのは一瞬なんだよなぁ。

 そう思った僕は、この魔法の事を詳しく知るためにステータスにある一般魔法の欄を開いたんだ。

 なんでかって言うとね、ドラゴン&マジック・オンラインの頃になかった魔法でも、僕が一度使うとこのステータスに載っかるからなんだ。

 でね、一度載っちゃうとゲームの頃と同じように詳しい説明が乗っかるんだよ。不思議だよね。

「えっと、フロートボードはぁ……あっ、あった!」

 そこに書いてあった説明によると、フロートボードの習得レベルは1で発動は一瞬、効果時間は消さなければ2時間なんだけど消える1分前になると点滅を始めるから、もう一度かけなおす事で持続時間を長くできるんだってさ。

 あとね、上に乗っけられる重さは使う人のレベルと攻撃魔力でかなり変わるみたい。

「そっか。だから僕が使うとおっきな石でも乗っけられたんだね」

 前にバーリマンさんが街の壁を作る時に魔法使いの人たちが魔法で石を運んでたって言ってたんだよね。

 でもその魔法使いの人たちは僕と違って狩りとかをしないし、冒険者になる人もいないって話だったからレベルがそんなに高くないはずなんだ。

「狩りとかをしてないなら、街の魔法使いさんたちはきっとみんな5レベルくらいだよね」

 僕、今賢者13レベルだもん。そっか、上位職の賢者の攻撃魔力は魔法使いより高いもん。

 だから僕が作ったフロートボードには、イーノックカウの壁に使ってあったくらい重い石だって簡単に乗っけられたのかぁ。


 イーノックカウから帰ってバーリマンさんからもらった教科書を読んで初めて知ったんだけど、魔法陣を使って使う魔法ってそれを刻んだ人の魔力によって効果が違うそうなんだ。

 って事は僕が魔法陣を刻めば一回分の魔力で2時間フロートボードを出せるって事だよね? 

「う〜ん、だったらあんまり大きな魔石はいらないかも」

 フロートボードに必要なМPは5。1レベルの魔法にしては多いけど、便利さから考えるとそんなに多くはないんだよね。

 それにピュリファイとおんなじだし、使う魔力は魔道リキッドや魔石の乾電池から取ればいいから、魔法陣を刻む魔石自体はヒルダ姉ちゃんちの魔法の水がめとおんなじ、ちっちゃな大豆くらいの魔石でいいかな。

 そう思った僕は、机の中から魔石を取り出した。

 これってちょっと大きめの鳥の魔物が持ってる魔石だから、これが使えるとほんと助かるんだよね。

 だってこれよりちょっと大きいのって事になると、グランリルの森にはあんまりいないもん。

「うちの近くの森だと、この上はいきなりブラックボアとかになっちゃうもんなぁ。イーノックカウにはその間くらいの魔物がいっぱいいるけど、一人で森に行っちゃだめって言われてるから取りにいけないんだよね」

 ブレードスワローの魔石なんかは普通の大豆かそれよりちょっと大きいくらいだから、あれくらいの魔物がいっぱい獲れたら魔石の電池がもっと作れるんだけどなぁ。

 あれより小さいと中に入る魔力が少なくなっちゃうし、かといってブラックボアが持ってるビー玉くらいになると乾電池が大きくなるし、何より魔石自体がとっても高くなっちゃうからそんなに数が作れなくなっちゃう。

「やっぱり今度、お父さんにいノックカウの森に一人で行っていい? って聞かなきゃ」

 僕はそんなことを言いながら、魔石にフロートボードの魔法陣を刻んだんだ。


 さて、フロートボードの魔石も完成したって事で、さっそく実験。

 だっていきなりこれを馬車に使うわけにいかないもんね。

 と言う訳で資材置き場に行って試しに魔法陣を起動してみたんだけど、そしたら魔石を中心にしてその下に縦3メートル、横2メートルくらいのフロートボードが出てきたんだ。

 なんでこんな大きさになったのかって言うと、それはたぶん僕が馬車に使うフロートボードを作ろうって思いながら魔法陣に刻んだからだと思う。

 だってこれ、僕が前にイーノックカウに行った時に乗っていった馬車くらいの大きさだもん。

 とまぁ、フロートボードを発動させる実験には成功したんだけど、それを見た僕はちょっと困っちゃったんだ。

「これ、どうやって実験しよう?」

 前にフロートボードの魔法を使ってみた時は石の下に出したけど、これって魔道具だからそこから放出することしかできないんだよね。

「大きさは魔法回路図で変える事ができるけど、出す場所は変えられないもんなぁ」

 教科書に書いてあったんだから絶対大丈夫だとは思うけど、やっぱり実験はしてみたいんだよね。

 でもフロートボードの魔石の上におっきな石をクリエイト魔法で作ったら、魔石が割れちゃうからそんな事できるはずない。
 
 だからどうしよっかなぁ? ってしばらく考えてたら、僕はとってもいい事を思いついたんだ。

「そうだ! これって馬車に付ける魔道具なんだから同じように台を作って、その上に重しのおっきな石を作ればいいじゃないか!」

 馬車は木で作るけど、今は実験なんだから台も石で作ればいいんだよね。

 と言う訳で、まず真ん中に魔石を置く小さな穴が開いてる縦3メートル、横2メートルの石板をクリエイト魔法で作る。

 でね、その石板に乗って真ん中の穴に魔石を入れると、僕の前と後ろに、前のフロートボードの実験の時に作ったのとおんなじくらいの石をクリエイトマジックで作ったんだ。

「あっ、前と後ろに作んなきゃって思ったから、つい前とおんなじくらいの石を二個作っちゃった。でもまぁ、ステータスに攻撃魔力やレベルによって運べる重さが違うって書いてあったし、これでも大丈夫だよね」

 5レベルくらいの魔法使いの人たちが運べる石二個だもん。13レベルの賢者なんだから、きっと大丈夫!

 僕はそう思って、魔法陣を起動。そしたら思った通り、ちゃんと二つの石も、それを載っけた石板もフロートボードで浮いたんだ。

「やった! こんなけおっ機内誌が二個も載っかるんだもん。馬車だってきっと大丈夫だよね」

 でも念のため、僕は石板から降りて後ろからその石を押してみたんだ。

 そしたらすーって、簡単に動いちゃった。

「すごいや。こんな重たい石なのに、僕でも動かせちゃった。そうだ! 今度お兄ちゃんたちと一緒に森に狩りに行った時、前みたいにいっぱい狩ってもこれを使えばお父さんを呼ばなくても、全部持って帰れるんじゃないかな?」

 前ん時は狩りすぎてお兄ちゃんたち、怒られてかわいそうだったもん。

 でも、これでもうお父さんに怒られずに済むね。

 このフロートボードの魔石は馬車に付ける魔道具に使っちゃうけど、イーノックカウから帰ってきたら忘れずにもう一個作んなきゃって僕は固く決心したんだ。 


 すみません、昨日ちゃんと書きあがっていたのに、後でやればいいやと食事をしてそのままアップするのを忘れてました。

 不定期になりますという一文を消したばっかりなのに。.

 おまけに明日、急な出張が入りました。と言う訳で、次話は木曜更新予定ですorz


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